加湿器の掃除は、タンクの水を毎日すべて換え、タンクの中も洗うのが基本です。フィルターやトレーなどの頻度と洗い方は、方式や機種によって違うことがあるため、使っている加湿器の取扱説明書に沿って進めましょう。
- フィルターやトレーの頻度は、メーカーで案内が分かれます。パナソニックは加湿フィルターのお手入れの目安を約1か月に1回(機種によって違う場合あり)、ダイニチは気化フィルターを使う機種のフィルターとトレーの水洗いを2週間に1度程度としています。
- クエン酸は、取扱説明書の濃度で使います。超音波式・超音波ハイブリッド式は、超音波振動子にクエン酸が触れないようにします(アイリスオーヤマ)。
- 塩素系の洗浄剤とクエン酸は、一緒に使いません。有害な塩素ガスが発生します(国民生活センター)。
掃除の前に、加湿の方式を確かめる
掃除の仕方は、加湿の方式によって変わります。まず、型番で製品の情報や取扱説明書を調べて、加湿の方式を確かめましょう。
| 方式 | しくみ |
|---|---|
| 超音波式 | 超音波振動子で、水を細かい霧にして出す |
| スチーム式(加熱式) | ヒーターで水を加熱し、蒸気にして出す |
| 気化式 | 水を含んだフィルターに風を当てて、蒸発させる |
| ハイブリッド式 | 2つの方式を組み合わせたもの |
ハイブリッド式の組み合わせは、機種によって違います。ダイニチは「気化式×温風気化式」と「超音波式×加熱式」を挙げ、アイリスオーヤマも「気化ハイブリッド式」と「超音波ハイブリッド式」を分けています。
フィルターを使う組み合わせか、超音波を使う組み合わせかで、お手入れの仕方が変わります。
お手入れは、必ず電源プラグを外してから始めます。
タンクは毎日、水を換えて振り洗いする
タンクの水は、毎日すべて捨てて、新しい水道水に換えます。厚生労働省のレジオネラ症の予防の指針も、家庭用加湿器について「タンクの水は、毎日完全に換えるとともに、タンク内を清掃すること」としています。
指針は、加湿器のタンクの中などに生物膜ができると、レジオネラ属菌をはじめとする微生物が繁殖しやすくなるとしています。加湿器を発生源とするレジオネラ症は、国内では報告例は少ないものの、新生児室や高齢者施設などで感染例が報告されています。
水を換えるときは、タンクに残った水をすべて捨て、少量の水道水を入れてふたを閉め、振り洗いします。
ダイニチは、汚れが目立つときは、歯ブラシやスポンジで軽くこするよう案内しています。パナソニックは、汚れがひどい場合に、クエン酸や加湿機用洗剤で洗う方法を紹介しています。
浄水器の水のほうが、きれいでよさそうだけど……?
タンクに入れるのは、水道水です。パナソニックは、塩素処理されていない水は雑菌が繁殖しやすいとして、浄水は使わないよう案内しています。くみ置きの水は消毒の塩素が抜けるため、蛇口から出してすぐの水道水を勧めています。
部品ごとの掃除の頻度の目安は?メーカーの案内を比べる
フィルターやトレーを、どのくらいの間隔で洗えばよいか迷いますよね。各社の案内は、対象の機種・部品とあわせて次のとおりです。
| 資料 | 頻度の目安 |
|---|---|
| パナソニック(気化式FE-KX07Dの例) | (1日8時間運転で)トレー、加湿フィルター、フィルター枠、プレフィルター:約1か月に1回 |
| ダイニチ(気化フィルターを使う機種) | 気化フィルターとトレーの水洗い:2週間に1度程度。洗浄剤を溶かした水でのフィルターのつけ置き洗い:1か月に1回は行う。 |
| アイリスオーヤマ(超音波ハイブリッド式) | 水位センサーと超音波振動子:2週間に1回程度。タンクのクエン酸での手入れ:2か月に1回。 |
パナソニックは、使う環境や時間によって、頻度が異なる場合があるとしています。ダイニチも、掃除の推奨頻度はメーカーによって異なる場合があるとして、取扱説明書を確かめるよう書いています。自分の機種の取扱説明書で頻度を確かめ、次に掃除する日を決めておきましょう。
吸気口のほこりは、掃除機で吸い取ります。ダイニチは、吸気口がほこりで目詰まりすると、加湿量が下がったり、送風音が大きくなったりするとしています。
湿度が上がらないときの見直し方は、置き場所や部屋の広さとあわせて、加湿器の置き場所の記事にまとめています。
クエン酸の使い方と量の目安
タンクやフィルターに付く白い塊は、水道水のミネラル分が固まった水あかです。水あかの成分はアルカリ性のため、酸性のクエン酸で中和すると取れます。
クエン酸は、どの加湿器にも使えるのかな?
使い方は、方式によって違います。アイリスオーヤマの案内は、次の図のとおりです。


クエン酸の量の目安は、メーカーごとに次のとおりです。
| 資料 | クエン酸の量の目安 |
|---|---|
| パナソニック(気化式FE-KX07Dの例) | 水かぬるま湯3Lに20g(大さじすりきり2杯) |
| ダイニチ | 40℃程度のぬるま湯4Lに約25g。30分〜2時間ほどつけ置きする。 |
| アイリスオーヤマ | 取扱説明書の規定の濃度 |
量と時間は、自分の機種の取扱説明書の値を使います。表の値を参考にするときも、同じメーカーの組み合わせのままにし、ほかのメーカーの値と混ぜないようにします。
パナソニックは、濃度が高すぎると破損の原因になるとして、取扱説明書の使用量を守るよう案内しています。
つけ置きのあとは、成分が残らないように、水道水でしっかりすすぎます。パナソニックは、すすぎが不十分だとにおいや故障の原因になりかねないとしています。ダイニチは、気化フィルターは水道水で2分以上を目安にすすぐよう案内しています。
においが気になるときの洗い方は、説明が分かれます。ダイニチは、吹き出す風が臭いときは、重曹(40℃程度のぬるま湯4Lに約150g)かメーカー指定の洗剤で、気化フィルターをつけ置きするよう案内しています。
パナソニックは、自社の加湿器の加湿フィルターについて、においが気になるときは、加湿器用の専用洗剤か、食器用の中性洗剤を薄めた水やぬるま湯でのつけ置きを勧めています。しつこい汚れやにおいに同社が勧めるのは、加湿機用洗剤かクエン酸です。
アイリスオーヤマは、加湿器から出る白い粉は、水に含まれるカルキが原因としています。まわりに付いた粉は雑巾でふき取り、固まって取れないときは、色落ちなどに注意して、クエン酸を含ませたタオルでふき取るよう案内しています。
方式ごとのお手入れと注意点
方式によって、汚れやすい所と、気をつけることが違います。
超音波式・超音波を使うハイブリッド式
ダイニチは、超音波式を、最もこまめな掃除が必要なタイプとしています。水を加熱せず、気化フィルターもないため、タンクや本体の中でカビや菌が増えていると、そのまま放出されてしまうためです。
同社は、超音波発生ユニットや蒸気口など、外せる部品は外して、歯ブラシやスポンジで汚れを落とすよう勧めています。アイリスオーヤマの案内では、超音波振動子そのものは、やわらかいブラシか綿棒で手入れします。
アイリスオーヤマは、よくある質問で、超音波ハイブリッド式の吹き出し口などのプラスチック部分に付いたカルキは、クエン酸水溶液に30分〜1時間ほどつけ置きするよう案内しています。
同社は、超音波ハイブリッド式の製品の内部には、クエン酸を使わないよう書いています。超音波振動子を傷める可能性があるためです。
ダイニチの説明では、「超音波式×加熱式」のハイブリッド式は、水を加熱するため、超音波式に比べると菌やカビは繁殖しにくいです。水あかは、傷つけないようにスポンジや歯ブラシでやさしくこすり落とします。
スチーム式(加熱式)
パナソニックは、熱い蒸気が出るタイプもあるため、吹き出し口の掃除には注意が必要としています。
ダイニチの説明では、スチーム式は水を加熱するため、菌やカビが繁殖しにくくなっています。一方で、水道水を蒸発させるため、タンク(内容器)や蒸気口カバーなどに、水あかが白い塊になって付きやすいです。
同社は、たまった水あかには、ぬるま湯で溶かしたクエン酸をタンクに注いでつけ置きし、水ですすぐ方法が有効としています。機種によっては、タンクにクエン酸を入れて一定時間加熱し、水あかを取りやすくするメニューもあります。
アイリスオーヤマは、加熱式のカルキ汚れが一度で取りきれないときは、クエン酸を入れて何度か加熱運転するよう案内しています。カルキが溶けて褐色になった液は、温かいうちに捨てて、ヒーター部を洗い流します。
気化式・フィルターを使うハイブリッド式
ダイニチの説明では、気化式はヒーターで加熱しないため、お手入れを怠ると菌やカビが繁殖しやすくなります。ただし、気化させた水を出すため、カビや菌をそのまま放出しにくいです。
ダイニチは、気化フィルターに水あかがたまると、目詰まりして固くなり、水を吸いにくくなって、加湿の性能が落ちるとしています。
パナソニックは、自社の加湿器について、汚れが目立たない加湿フィルターは、水か40℃以下のぬるま湯で押し洗いするだけでよいとしています。同社のお手入れの目安は約1か月に1回ですが、機種によっては、押し洗いを勧めていないものがあるほか、頻度が異なる場合もあります。
パナソニックの加湿器では、加湿フィルターの変色を和らげる場合に限り、酸素系漂白剤を使えます。同社は、誤って塩素系の漂白剤を使うと、健康に害を及ぼすおそれがあるとしています。
パナソニックは、自社の加湿器について、お手入れをしても汚れが落ちにくい、フィルターが固くなっている、強いにおいが残る、加湿量が低下しているといった場合は、加湿フィルターの交換を検討するよう案内しています。
掃除でしてはいけないこと
とくに気をつけたいのが、塩素系の洗浄剤です。国民生活センターは、塩素系の洗浄剤を酸性の洗浄剤などと一緒に使うと、有害な塩素ガスが発生するとしています。浴室で塩素系の洗浄剤とクエン酸を同時に使い、おう吐の症状が出た事故の情報も寄せられています。
クエン酸は酸性です。国民生活センターの呼びかけのとおり、塩素系の洗浄剤は、必ず単独で使いましょう。
ほかにも、次のことは避けます。
- クエン酸と重曹を、同じ液に入れる(ダイニチは、1回のつけ置きではどちらか1つを使うよう案内)
- クエン酸や加湿機用洗剤を、ほかの洗剤と混ぜる(パナソニック)
- クエン酸や洗剤を、必要以上に濃くする(パナソニック)
- 「中性」と書かれていない食器用洗剤を使う(パナソニックは、弱アルカリ性や酸性の製品もあり、成分によってはほかの洗剤と混ざると事故につながるリスクがあるとしている)
- ドライヤーや乾燥機で乾かす(パナソニックは、破損の原因になるとしている)
シーズンの終わりは、よく乾かしてからしまう
加湿器を使わない季節になったら、各部を洗い、十分に乾かしてからしまいます。パナソニックは、水分が残っていると雑菌が繁殖し、においやカビの発生につながるとしています。
アイリスオーヤマは、タンクと本体を日陰でしっかり乾かし、箱に入れるか、袋をかぶせて保管するよう案内しています。パナソニックは、次に使い始めるときも、まずタンクやトレー、加湿フィルターの汚れやにおいを確かめるよう勧めています。









