USB-Cケーブルの60W・240Wは何が違う?充電と転送速度の表示の読み方

ケーブルの先のUSB-Cの端子を、近くから写したところ。背景はぼけている

USB-C同士のケーブルにある60W・240Wは、対応する電力の表示です。写真やファイルの転送速度は別の仕様なので、240Wを選ぶだけで転送や充電が速くなるとは限りません。電力と転送速度を分けて確認しましょう。

この記事の要点
  • USB-IFの認証では、USB-C同士のケーブルに60Wか240Wの電力の表示が必要です。転送の速さ(20Gbpsなど)の表示も、USB 2.0のケーブルを除いて必要です(USB 2.0のケーブルは、速さを示すロゴが任意)。
  • 充電の速さには、充電器・ケーブル・充電される機器が関わります。USB PDでは、240Wのケーブルでも、機器は必要な電力だけを受け取れます。
  • 写真や動画を速く移したいなら、ケーブルと両方の機器の転送の仕様を確かめます。
目次

60W・240Wは電力、Gbpsは転送の速さ

ケーブルの表示は、電力と転送の速さを分けて読みます。

表示分かること
60W・240Wケーブルが対応する電力。充電器と機器のW数と合わせて見る
20Gbpsなどケーブルが対応するデータの速さ。写真や動画を移すときに関わる

USB-C同士のケーブルの表示は、USBの団体のUSB-IF(USB Implementers Forum)が、認証を受けるときの要件として決めています(USB-IFの要件)。2022年3月からの要件では、認証を受けるUSB-C同士のケーブルは、すべて60Wか240Wのどちらかの電力の表示が必要です。

さらに、USB 2.0のケーブルを除いて、対応するデータの速さの表示も必要です。たとえば、20Gbpsで、20V・3Aに対応するケーブルには、「20Gbps/60W」の表示を付ける必要があります。

USB 2.0のケーブルは、電力の表示は必要ですが、速さを示すロゴ(USB 2.0のロゴなど)は任意です。速さを示すロゴがないからといって、データを送れないとは限りません。

これは、USB-IFの認証を受けるケーブルの要件です。認証を受けていないケーブルに、同じ表示があるとは限りません。

240Wは、2021年に発表されたUSB Power Deliveryの改訂(Revision 3.1)で使えるようになった、最大の電力です。それまでは、20Vで5Aのケーブルを使う100Wまででした(USB-IF)。100Wのケーブルは、2021年5月のUSB Type-Cの規格の改訂で240Wのケーブルに置き換えられ、USB-IFは2021年12月22日から100Wのケーブルを認証していません。

充電も転送も、ケーブルだけでは速さが決まらない

確かめる所は、充電と転送で分かれます。

充電と転送で確かめる所の図。充電:充電器(対応するW数)、ケーブル(60W・240W)、機器(対応するW数)。転送:接続元(転送の仕様)、ケーブル(Gbps)、接続先(転送の仕様)。充電と転送は、別々に確かめる

充電で確かめる所

USB Power Delivery(USB PD)は、それぞれの機器が必要な電力だけを受け取れるように、電力を管理します。240Wのケーブルを使っても、機器が受け取る電力が240Wになるわけではありません。

反対に、60Wの表示のケーブルが対応する電力は60Wまでです。充電器と機器の両方が60Wを超える電力に対応していて、その電力で充電したいなら、240Wの表示のケーブルを選びます。

Appleは、iPhoneの充電について、次のように説明しています(iPhoneの充電速度について)。

  • 有線で高速充電するには、iPhone 15以降のモデルは、USB-C Power Deliveryに対応する充電器と、USB-Cケーブルを使う。
  • 7.5W以下の有線充電器では、充電に予想以上に時間がかかることがある。
  • 充電器にポートが複数ある場合や、ほかのデバイスに接続されているコンピュータ・USBハブで充電する場合は、最大出力が低下する可能性がある(接続しているすべてのデバイスの電力の需要や、システムの状況で変わる)。

転送で確かめる所

Appleの説明では、iPhoneに付属のUSB-Cケーブルは、充電とUSB 2の速度に対応しています。iPhone 15 Pro・16 Pro・17 Pro・18 Proの各モデルは、別売りのUSB 3ケーブルを使った場合に、最速で10Gbit/秒(USB 3.2 Gen 2)に対応します(iPhoneのUSB-Cコネクタ)。充電はできても、写真や動画を速く移せるとは限らない例です。

iPhone以外の機器は、それぞれの説明書で、対応する充電の方式とW数、転送の速さを確かめましょう。

USB-IFの認証を調べるときに気をつけること

持っているケーブルが認証済みか、調べられるのかな?

USB-IFのサイトの製品検索(Product Search)に載っているのは、USB-IFのロゴを付けることが認められた、認証済みの製品だけです。

ただし、最初の表示は、直近の2年に認証された製品だけです。それより前に認証された製品は、日付で絞り込んで探します。USB-IFは、認証日が2年より前の製品は、今の認証の基準に合わないことがあるとしています。

一覧は、USB-IFの会員の企業がそれぞれ管理していて、USB-IFは内容に責任を負わないとしています。一覧で見つからないことだけで、危ない製品や、認証のない製品と決めつけないようにしましょう。

一覧で見つからない製品について、USB-IFは、その製品がいつUSB-IFのロゴを付けられる認証を受けるのかを、メーカーに直接問い合わせるよう案内しています。製品の仕様やメーカーの資料も見て、分からなければメーカーに問い合わせます。

買い足す前に確認する4項目

買う前に、次の4つを書き出しておくと、選ぶケーブルの条件がはっきりします。

確かめること見るところ
両端の端子USB-C同士か、片方がUSB-Aなどか
必要な電力充電器と機器の対応するW数と充電の方式
必要な転送の速さ両方の機器のデータ転送の仕様
つなぐ機器とポート充電器のポートの数、パソコンやハブにほかの機器もつなぐか

60W・240Wの表示の要件は、USB-C同士のケーブルのものです。片方がUSB-AやLightningのケーブルは、製品の仕様で確かめてください。映像の出力やThunderboltの対応は、この記事では扱っていません。機器の説明書で確かめましょう。

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