ハンドドリップは、ドリッパーとペーパーがあれば、家でも始められるコーヒーの淹れ方です。ただ、「蒸らしは何秒?」「何回に分けて注ぐの?」「最後まで落ちきるのを待つの?」と、説明によって少しずつ違っていて迷いますよね。
この記事では、メーカー5社の説明を比べ、ペーパードリップの基本の淹れ方と、説明によって違うポイントをまとめました。
- 粉を平らにして、少量のお湯で蒸らしてから、中心から円を描くように注ぎます。
- 蒸らしは20秒ほどとする説明が多く、15秒や30秒とする説明もあります。
- ドリッパーを外すタイミングは、説明によって分かれます。
用意するもの
初めて道具をそろえるなら、まずはドリッパーとペーパーフィルターを用意しましょう。サーバーがなくても、ドリッパーから直接カップに落とせます。ペーパーは、ドリッパーの形(円すい型・台形型)に合ったものを使います。
ほかに、次のものがあると淹れやすくなります。
- サーバー:はじめのうちは、量がわかる目盛り付きがおすすめ
- 細口のケトル:狙った位置に、細く注ぎやすい
- はかりか計量スプーン:粉の量を量る
- タイマー:時間を計ると、味が安定する

基本の淹れ方
道具がそろったら、さっそく淹れてみましょう。手順は、大きく5つに分けられます。

ペーパーは、円すい型なら圧着部分の1か所を、台形型なら底面と側面の2か所を互い違いに折ってから、ドリッパーにセットします。
粉を入れたら、ドリッパーを軽く揺すって、表面を平らにしておきましょう。お湯が、ムラなく全体に行き渡ります。
粉とお湯の量・温度
| 資料 | 目安 |
|---|---|
| UCC上島珈琲 | 1杯分:粉10〜12g(中細挽き)、注ぐお湯160mL程度、92〜96℃ |
| 味の素AGF | 1杯分(約140mL):粉約10g、よく沸かしたお湯を少し落ちつかせる |
| キーコーヒー | 1杯分:粉10g、できあがり120mL、90〜95℃ |
| ドトールコーヒー | (2023年の記事・ハリオのドリッパー)二人分:粉24g、お湯約310g、93℃前後 |
量と温度は、表の同じ行の組み合わせで使いましょう。
HARIOの淹れ方のページには、粉とお湯の量、温度の記載はありません。
温度計がないときは、沸騰したお湯が落ち着くのを待ちましょう。UCC上島珈琲は、やかんで沸かしたお湯を細口のポットに移し替えれば、だいたい適温としています。
キーコーヒーによると、注ぎ口からお湯が飛び跳ねるときは97℃を超えていて、雑味やえぐ味が出てしまいます。
2杯・3杯分の粉の量は、コーヒー粉の量とお湯の量の記事に、早見表をまとめています。
蒸らしは何秒?
蒸らしって、何秒待てばいいの?
UCC上島珈琲は20秒ほど、キーコーヒーと味の素AGFも円すい型の手順で20秒ほどです。HARIOは、円すい型の手順で30秒の蒸らしを示しています。
ドトールコーヒーは、ドリッパーによって時間が違います。2025年の記事では、ハリオのドリッパーなら15秒ほど、メリタなら30秒ほどです。2023年の記事も、ハリオのドリッパーで15秒としています。


蒸らしは、少量のお湯で粉全体を湿らせてガスを出し、おいしい成分を引き出しやすくする工程です。粉全体にお湯が行き渡り、湿るくらいを目安に注ぎましょう。
蒸らしが足りているかは、粉の様子で見られます。キーコーヒーによると、表面にキラキラした泡が見えてきたら、お湯がしっかり浸透した印です。泡が消えて、ボソボソと穴が開いてきたら、蒸らしは充分です。
注ぎ方のコツ
どこに、どれくらいずつ注げばいいんだろう…
注ぐ場所は、5社とも中心からです。HARIOとキーコーヒーは中心に500円玉くらいの円を、味の素AGFは中心から外側に向かって「の」の字を描くように注ぐとしています。


粉のないペーパーの部分に、直接お湯をかけないのもポイントです。蒸らしのときにかかると、お湯が流れ出て、うまく蒸らせません。
味の素AGFも、ペーパーに直接かからないようにしながら、ふちにできるコーヒーの壁を壊さないように、優しく注ぐとしています。
次を注ぐタイミングは、UCC上島珈琲が「水面がやや下がるタイミング」、キーコーヒーが、膨らんだ泡がくぼんでいく動きが止まる前です。
キーコーヒーの手順では、表面に残る泡が雑味の原因になるため、抽出液に落ちないよう、次のお湯をタイミングよく注ぎます。
注ぐ回数と速さ
注ぐ回数は、ドリッパーによって違います。ドトールコーヒーによると、メリタ式(台形・1つ穴)は蒸らしのあと1回で、カリタ式(台形・3つ穴)とハリオ式(円すい・1つ穴)は、数回に分けて注ぎます。
キーコーヒーは、3杯分を、だいたい4〜5回に分けて注いでいます。
円すい型のドリッパーでは、注ぐ速さでも味が変わります。味の素AGFは、ゆっくり抽出すると濃いめに、抽出のペースを速めるとさっぱりとした軽めになるとしています。
ドトールコーヒーは、ゆっくり注ぐと重めでボディ感のある味に、早く注ぐとすっきりした味になるとしています。
ドリッパーを外すタイミング
最後の1滴まで、落ちきるのを待ったほうがいいのかな…
ここは、説明によって分かれます。
- 落ちきったら:UCC上島珈琲は、分量のお湯を注いで落ちきったら、カップに注ぐとしています。
- 目盛りまで来たら:キーコーヒーは、サーバーの目盛りまでコーヒーが来たら、お湯が残っていてもドリッパーを外します。
- タイマーが鳴ったら:ドトールコーヒーは、2023年の記事(ハリオのドリッパーで淹れる手順)で、蒸らしのときに1分30秒のタイマーをスタートし、鳴ったら、まだ落ちている途中でもすぐに外します。そのままにすると、雑味などが落ちてしまうためです。
味の素AGFとHARIOの淹れ方には、淹れ終わりにドリッパーを外すタイミングの記載はありません。外すタイミングは、どれが正解というより、器具や好みに合わせて選ぶところです。
抽出時間と仕上げ
時間の目安は、HARIOが「杯数に関係なく3分以内に注ぎきる」、キーコーヒーが2分30秒〜3分(注ぐ直前からいれ終わるまで)です。キーコーヒーによると、抽出時間が短いと酸味が強く軽い味わいに、長いと好ましくない苦みが出てしまいます。
外したら、サーバーを軽く回してからカップに注ぎましょう。淹れたばかりのコーヒーは、上と下で濃さが違うためです。


味が薄い・濃いと感じたときの原因の例と見直し方は、コーヒー粉の量とお湯の量の「薄い・濃いと感じたら」にまとめています。
よくある質問
- ペーパーは、先にお湯で湿らせたほうがいいですか?
-
味の素AGFとドトールコーヒーは、粉を入れる前に、ペーパーにお湯を通しています。ドトールコーヒーは、紙のにおいを取るためとしていて、白い漂白タイプも茶色い未漂白タイプも、使う前に湯通しするとよいとしています。UCC上島珈琲・HARIO・キーコーヒーの手順には、この工程はありません。
- 円すい型と台形型では、何が違いますか?
-
ドトールコーヒーによると、台形型は穴が小さく、円すい型より抽出に時間がかかるぶん、味や香りを安定して出せます。円すい型は、ふつう底に大きな穴が1つあり、抽出は速いものの、注ぎ方しだいで酸味や苦味などの味わいを調整できます。一方、キーコーヒーは、台形型は円すい型に比べて、安定した味わいを出すのが難しいとしています。円すい型は、1杯分だけ淹れるときも湯だまりができず、過剰抽出になりにくいそうです。









