サイフォンコーヒーの淹れ方|粉とお湯の量、撹拌の回数と時間の目安

店のカウンターに並んだガラスのサイフォン。手前のサイフォンは、上のロートに透明な液体が入っている

喫茶店のカウンターで、ガラスの器具の中をお湯が上がっていくのを眺めて、「家でもやってみたい」と思ったことはありませんか?

この記事では、メーカーと業界団体の説明を比べ、サイフォンの基本の淹れ方と、撹拌や時間の違いをまとめました。

この記事の要点
  • 沸騰したら粉を入れたロートを差し込み、上がってきたお湯と粉を竹べらで撹拌します(キーコーヒー)。
  • 火を止めるのは、キーコーヒーが粉を沈めてから1分、ハリオが混ぜてから1分、全日本コーヒー協会が撹拌のあと弱火で20秒ほど置いてからです。
  • 1杯分の粉は、キーコーヒーが12g(できあがり120ml)、全日本コーヒー協会(サイフォン式のページ)が15g(中細挽き。1杯140mL分)です。
目次

サイフォンのしくみ

お湯が下から上に上がるのって、どういうしくみなの?

サイフォンは、下のフラスコでお湯を沸かし、上のロートで粉と合わせて淹れる器具です。フラスコの中の気体が熱で膨張すると、お湯がロートへ押し上げられます。

上がったお湯は、ロートの中の粉と触れて抽出されます。火を止めると、コーヒーはろ過器(布フィルター)を通って、フラスコに落ちてきます。

サイフォンのしくみの図。ロート(上ボールとも呼ぶ)。ろ過器と布フィルター。フラスコ。熱源(アルコールランプなど)。1、フラスコでお湯を沸かす。2、お湯がロートへ上がる。フラスコの中の気体が膨張して、押し上げられる。3、ロートで粉と混ざる。4、火を止めると、コーヒーが落ちる。布フィルターでろ過される

キーコーヒーは、サイフォンで淹れたコーヒーは、蒸気圧を使って高温で抽出するため、ドリップ式に比べてコーヒーオイルがより多く含まれ、口当たりがまろやかになるとしています。

ハリオは、抽出時間を守れば味に差が出にくく、いつも同じ味が楽しめるとしています。

粉とお湯の量

キーコーヒーの1杯分の目安は、粉12g、お湯144ml、できあがり120mlです。全日本コーヒー協会「サイフォン式」の量と挽き目の条件は、次の表で比べられます。

資料1杯分の目安
キーコーヒー粉12g、お湯144ml、できあがり120ml
全日本コーヒー協会(サイフォン式のページ)粉15g(中細挽き)、お湯160mL(1杯140mL分)

キーコーヒーは、粉が注いだお湯の2割を吸うので、お湯は、できあがりの量の2割増しにするとしています。

淹れ方の手順

器具がたくさんあって、どこから始めればいいのか迷いそう…

ロートとフラスコ(スタンド)、熱源のほか、竹べら・布フィルター・タイマーなどを用意します。キーコーヒーの手順をもとに、準備から抽出までの流れを見てみましょう。

  1. 布フィルターを流水でよく洗い、固く絞ってろ過器に付ける
  2. ろ過器をロートに入れ、チェーンの先のフックをロートの先端に掛けて、ろ過器を真ん中にする
  3. フラスコの水滴を拭き、お湯を入れて火にかける
  4. 沸騰したら、粉を入れたロートをフラスコに差し込む
  5. 上がってきた粉を竹べらで沈め、タイマーを1分にして撹拌する
  6. 撹拌を続け、タイマーが止まったら火を止め、渦を起こすように回す
  7. コーヒーがフラスコに落ちたら、ロートを外して注ぐ

フラスコに水滴がついていると、割れることがあります。全日本コーヒー協会は、必ず拭き取るよう求めています。キーコーヒーも、フラスコが濡れていると割れやすくなるとしています。

沸かしているあいだ、キーコーヒーはロートのチェーンをフラスコの内側に垂らし、全日本コーヒー協会の手順ではロートを差しておきます。全日本コーヒー協会によると、ボールチェーンが沸騰石の役割をして、突沸を防ぎます。

ハリオは、粉を入れた上ボールを斜めに差し込んで、沸騰を待つ手順です。キーコーヒーは、沸騰を確かめてから粉を入れます。

石のカウンターに置いた小さなサイフォン。下で小さな火がつき、上のロートにはコーヒーの粉が入っている。右奥には銅色のやかん

撹拌の回数と時間の目安

混ぜるのは1回だけ?何秒で火を止めればいいの?

撹拌は、キーコーヒーと全日本コーヒー協会が2回(火を止める前と、止めたあと)、ハリオの手順では1回(軽く混ぜる)です。

火を止めるまでの時間は、資料ごとの数え始め方とあわせて確認してください。

  • キーコーヒー:粉を沈めてから1分
  • 全日本コーヒー協会(サイフォン式のページ):撹拌のあと弱火で20秒ほど置く。補足では、火をやや弱めて15〜45秒(必ず1分以内)置く
  • ハリオ:上がってきたお湯と粉を軽く混ぜ、1分加熱したら火を外す
撹拌と、火を止めるまでの図。1、お湯が上がったら、粉と混ぜる。1回目の撹拌。2、加熱を続けて、火を止める。火を止めるまでの時間は、説明によって違う。・粉を沈めてから1分。・撹拌のあと弱火で20秒ほど(補足:15〜45秒。必ず1分以内)。・混ぜてから1分加熱。3、火を止めたら、2回目の撹拌。2回目をしない手順もある。4、コーヒーがフラスコに落ちる

キーコーヒーの撹拌は、次のように目的と動かし方が違います。

  • 1回目:抽出をうながすため、竹べらを前後に動かしてしっかり撹拌する。「泡・粉・液体」の3層になれば、うまく撹拌できている
  • 2回目:早くフラスコに吸い込ませるため、渦を起こすように回す

全日本コーヒー協会の手順では、お湯が9割程度上がったら1回目の撹拌をしっかりとし、粉に乾いた部分が残らないよう、粉全体にお湯をなじませます。火を止めたら、すぐに2回目の撹拌をします。

ハリオは、火を外したら、自然と下がるのを待つ手順です。

キーコーヒーは、コーヒーが落ち切って、ろ過器の表面に泡が残れば、理想的に抽出できた状態で、時間でいうと、50秒以内にフラスコに落ちるくらいが理想としています。迷ったら、まずは手持ちの器具の説明書の手順で淹れてみましょう。

布フィルターの準備と洗い方

布フィルターの付け方と、使い終わったあとのお手入れを、キーコーヒーの説明で見ておきましょう。

布フィルターは毛が立っている面を下にして、ろ過器に付けます。紐はしっかり引いて固定しましょう。引き方が弱いと、沸騰したときに蒸気が抜けてしまうためです。

使い終わったあとは、次の順に洗います。

  1. 器具を流水で冷ましてから、フラスコ(下の部分)を先に、洗剤とスポンジで割らないように洗う
  2. ロートは、粉を捨ててから洗う
  3. 布フィルターはろ過器から外し、洗剤を使わず流水だけで洗う
  4. 洗い終えたら、しっかり乾かす

ただし布フィルターは、水に浸して冷暗所で保管し、次に使うときも、最初に流水で洗います。

よくある質問

サイフォンの熱源には、どんな種類がありますか?

主にアルコールランプ・電気・ガスバーナーの3種類です。一般家庭ではアルコールランプがもっともポピュラーで、電気やガスバーナー(家庭用はガストーチ)は、それより短時間で沸かせます。

撹拌に竹べらを使うのはなぜ?

キーコーヒーは、高温に強く、撹拌してもロートを傷つけにくいことを理由に挙げています。また、吸水性が低く、コーヒーの風味を吸収しにくい点も理由です。

ペーパードリップやフレンチプレスとは、どう違いますか?

サイフォンは、ロートの中で粉をお湯に浸してから、ろ過してフラスコに落とす淹れ方で、キーコーヒーは「浸漬ろ過法」と呼んでいます。お湯を注ぎながら淹れる方法はハンドドリップの淹れ方に、粉をお湯に浸して待つ方法はフレンチプレスの淹れ方にまとめています。

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