夜にコーヒーを飲むと、眠れなくなる気がしませんか。でも、何時までなら大丈夫なのかは、はっきりわかりにくいですよね。
この記事では、厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」と、そこで紹介されている研究をもとに、コーヒーは寝る何時間前までが目安かをまとめました。
- 厚生労働省のガイドは、夕方以降のカフェインは控えるよう勧めています。
- 研究のまとめ(18〜65歳の健康な大人が対象)では、コーヒー1杯(250mL・カフェイン107mg)は、寝る8.8時間前までに飲むのが目安です。
- 血液中のカフェインが半分に減るまでの時間は、日本人で3〜7時間と、人によって違います。
寝る何時間前までならいい?
寝る3時間前くらいなら、大丈夫かな…
厚生労働省の健康づくりのための睡眠ガイド2023では、夕方以降はカフェインを控えることが勧められています。目安は資料によって違うので、主なものを見てみましょう。
| 資料 | 目安・結果 |
|---|---|
| 厚生労働省睡眠ガイド2023 | 夕方以降は、カフェインを含む食べ物・飲み物を控える |
| 研究のまとめ2023年 | 対象:18〜65歳の健康な大人。コーヒー1杯(250mL・カフェイン107mg)は、寝る8.8時間前まで。カフェイン217.5mg(運動前のサプリメント1回分)なら、寝る13.2時間前まで。 |
| 米国の研究2013年 | 対象:健康で睡眠に問題のない12人。カフェイン400mgを寝る6時間前にとっても、睡眠時間が1時間以上減った。 |
| 厚生労働省睡眠指針2014 | 寝る前3〜4時間以内は控える |
「寝る前3〜4時間以内は控える」という目安は、厚生労働省の2014年の睡眠指針の本文にあるものです(参考資料では、夕食以降も注意が必要としていました)。
この2014年の指針を見直して、2024年2月に睡眠ガイド2023がまとめられました。
表の「研究のまとめ」は、ガイドも紹介している24件の研究をまとめた論文(2023年)です。
表の8.8時間・13.2時間は、睡眠時間を減らさないための目安で、18〜65歳の健康な大人の研究から出したものです。論文は、この時間を出発点として考えるよう勧めています。寝る時刻から逆算してみましょう。


この「1杯」は、250mLでカフェイン107mgのコーヒーです。日本食品標準成分表の値(100mLあたり60mg)で計算すると、約180mLで107mgになります。カフェインが多いほど、もっと早い時刻までに飲み終える必要があります。
米国睡眠医学会の発表は、健康で睡眠に問題のない12人の研究を紹介しています。日を変えて、カフェイン400mgの錠剤を寝る0・3・6時間前に飲む日と、偽薬だけの日を設けたものです。
寝る6時間前に飲んだ日でも、機器で測った睡眠時間は1時間以上減っていました。本人の睡眠日誌からは、それに気づいていない様子だったといいます。
400mgは、日本食品標準成分表の値で計算すると、150mLのコーヒー約4.4杯分です(発表では、コーヒー2〜3杯分としています)。
カフェインが体に残る時間
夕方のコーヒーが夜まで響くことがあるのは、カフェインが体からなかなか減らないからです。ガイドによると、血液中のカフェインの濃さが半分になるまでの時間(半減期)は、日本人で3〜7時間と、人によってばらつきがあります。


ガイドは、夕方以降に100mg以上のカフェインをとると、寝つきが悪くなったり、深い眠り(徐波睡眠)が減ったり、夜中に目が覚めやすくなったりするとしています。そのため、1日に400mgを超えてとると、朝にとった分でも眠りに影響するおそれがあるとしています。
ガイドによると、1日400mgは、ドリップコーヒーでコーヒーカップ4杯分(700mL)ほどです。
年齢や体の状態によっても違います。ガイドは、高齢になるとカフェインを分解する力が落ちるため、少しの量でも眠りに影響することがあるとしています。
ガイドによると、子どもは、体重1kgあたり1日1〜3mg以上で眠りに悪影響が出ることが報告されています(体重30kgなら30〜90mg)。妊娠中は、できるだけ控えることが複数の国や学会から勧められています。
1杯ごとのカフェインの量や1日の目安は、コーヒーのカフェイン量の記事にまとめています。
寝つきだけでなく、眠りの深さにも影響する
飲んでもすぐ眠れるから、私は平気かな?
そう感じる人もいますよね。ガイドは、カフェインの分解のしかたは人によって大きく違う一方で、寝つきに問題がなくても、睡眠時間が短くなったり深い眠りが減ったりすることは多くの人にみられる、と注意しています。
先ほどの研究のまとめでは、カフェインをとった夜は、とらなかった夜と比べて、睡眠時間が平均45分短くなっていました。研究で使ったカフェインの量やとった時刻はさまざまで、寝る直前にとった研究も含みます。


また、2014年の睡眠指針は、カフェインには尿を出しやすくする作用もあり、夜中に尿意で目が覚める原因にもなるとしています。
寝つきが悪い、夜中に何度も目が覚めるといった状態が続くときは、カフェインのほかに原因があることもあります。医師に相談してください。
夕方以降に飲みたいときは
夜のコーヒータイムが楽しみなんだけどな…
夜にほっと一息つく時間、大切にしたいですよね。
夕方以降に何か飲みたいときは、カフェインの少ないものを選ぶ方法があります。コーヒーなら、カフェインを取り除いたカフェインレス(デカフェ)のコーヒーがあります。
ただし、カフェインレスでも、カフェインはゼロではありません。レギュラーコーヒー(豆・粉)やインスタントコーヒーの表示のルール(公正競争規約)では、カフェインを90%以上取り除いたものを「カフェインレスコーヒー」と表示します(カフェインレスの基準)。
1杯約90mgのコーヒーと元の豆も淹れ方も同じなら、90%以上取り除いたものは9mg以下になる計算です。ガイドが眠りへの影響を挙げている「夕方以降の100mg以上」よりかなり少ない量ですが、ガイドは、少しの量でも眠りに影響する人がいるとしています。
ガイドは、お茶なら、茶葉を使わない麦茶、そば茶、黒豆茶、とうもろこし茶や、カフェインを含まないハーブティーなどに置き換えるのもよいとしています。お茶のカフェインは茶葉に含まれるためです。
コーヒーのほかに、紅茶・緑茶・ウーロン茶・コーラタイプの飲み物・エナジードリンクなどにもカフェインが含まれます。夜は、コーヒー以外の飲み物にも気をつけたいところです。


よくある質問
- 夜勤のときは、コーヒーを飲んでもいいですか?
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ガイドは、交替制勤務では、仮眠やカフェインを上手に使うと、仕事中の眠気が改善して効率が上がる場合があるとしています。ただし、カフェインをとりすぎると、健康や眠りに悪い影響が出るおそれがあります。
同じガイドは、夜勤中の仮眠について、次の報告も紹介しています。
- 0〜4時に始める20〜50分の仮眠で、眠気や疲労が改善した。
- コーヒーなどでカフェインをとってから仮眠を始めると、目覚めやすく、起きたあとのぼんやり感も出にくい。
- 眠気覚ましに毎日飲んでいます。大丈夫ですか?
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ガイドは、毎日のようにとり続けると、眠気覚ましの効果が弱まり、依存も生じるとしています。日中の眠気は、慢性的な睡眠不足や睡眠障害が原因のこともあります。睡眠時間や生活習慣を見直しても眠気が続くときは、医師に相談しましょう。









