コーヒー豆・粉の保存方法|常温・冷蔵・冷凍と、開封後に飲み切る目安

口を開けた白い袋に入った、焙煎したコーヒー豆

コーヒー豆を買ったあと、どこにしまっておけばいいのか迷いますよね。常温がいい、冷凍がいい、といろいろな話があって、どれに従えばいいのか分かりにくいところです。

この記事では、豆と粉の保存方法と、飲み切るまでの期間の目安をまとめました。

この記事の要点
  • 開封後は、豆なら約1か月を目安に飲み切ります(国内メーカー2社)。粉は、UCC上島珈琲が1週間〜10日程度、キーコーヒーが約2週間以内としています。
  • それより長く置くなら、小分けして冷凍します。
  • 開けた袋は口をしっかり閉じ、袋ごと密封容器に入れると安心です(UCC上島珈琲)。
目次

風味を落とす4つの原因

コーヒーの保存で気をつけたいことは、実はシンプルです。風味を落とす主な原因は、酸素・湿気・熱・光の4つです。

風味を落とす4つの原因の図。酸素は、空気に触れると酸化が進む。湿気は、吸うと風味が落ちる。熱は、温度が高いと劣化が早まる。光は、直射日光(紫外線)で劣化する。豆より粉のほうが早く風味が落ちるのは、挽くと表面積が増えて、湿気を吸いやすく、酸化も進みやすいため
原因避け方
酸素袋や容器の口をしっかり閉じる
湿気水滴やぬれたスプーンを避ける
熱オーブンや食器洗い乾燥機のそばなど、温度が上がる場所に置かない
光直射日光を避け、光を通さない袋や容器に入れる

もう一つ気をつけたいのが、におい移りです。コーヒーはまわりのにおいも吸い込むので、においの強い食品のそばには置かないようにしましょう。

豆と粉で日持ちが違う理由

豆のままと粉で、そんなに違うの?

けっこう違います。豆を挽いて粉にすると、表面積が大きく増えます。そのぶん湿気を吸いやすく、酸化も進みやすくなるので、粉のほうが早く風味が落ちます。

風味を長く楽しみたいなら、豆で買って、淹れる直前に挽くのがおすすめです。

開封後に飲み切る期間の目安

開封後の目安は、資料によって少しずつ違います。

資料開封後の目安
UCC上島珈琲豆は1か月程度。粉は1週間〜10日程度。
キーコーヒー豆は約1か月。粉は約2週間以内。
全米コーヒー協会豆は常温で1〜3週間、冷蔵で2週間、冷凍で3〜4か月。粉は常温で1〜2週間。

UCC上島珈琲は開封後の保存場所として冷蔵庫や冷凍庫を、キーコーヒーは温度差のない冷暗所を勧めています。全米コーヒー協会の値は、密閉容器に入れた場合です。

表の国内2社は、豆ではどちらも約1か月ですが、粉ではUCC上島珈琲のほうが短めです。

全米コーヒー協会は、常温の豆を1〜3週間としていて、1〜2週間で飲み切れる量をこまめに買うことを勧めています。

賞味期限まではおいしく飲めるんじゃないの?

そう思いがちですが、袋に書かれた賞味期限は、開ける前の状態で、書かれた方法で保存したときの期限です(くわしくはコーヒー豆の表示の見方)。開けたあとは、賞味期限とは別に、早めに飲み切る必要があります。

賞味期限を過ぎた豆を飲む前に

全米コーヒー協会は、焙煎した豆は風味のピークを過ぎても、湿気でカビが生えない限り、ふつうは飲んで危険になるものではないとしています。ただし、香りは弱くなり、淹れたコーヒーの味もぼやけていきます。カビが生えたものは飲まないでください。

白いカップに入った、焙煎したコーヒー豆

常温・冷蔵・冷凍の使い分け

冷蔵庫と冷凍庫、どちらに入れればいいのか迷う人も多いと思います。置き場所は、飲み切るまでの期間で選ぶのが基本です。

場所向いている場合気をつけること
常温目安の期間内に飲み切るとき直射日光が当たらず、温度差の少ない冷暗所に置く
冷蔵庫湿度が高く、常温だと湿気が心配な環境(向き不向きは資料によって分かれる)出し入れのたびに水滴がつきやすく、においも移りやすい
冷凍庫目安の期間より長く置くとき1回分ずつ小分けにして、使う分だけ出す

冷蔵庫は、資料によって評価が分かれます。UCC上島珈琲は、季節を問わず日光を避けられ、温度と湿度を一定に保てる場所として、冷蔵庫や冷凍庫を勧めています。

一方、全米コーヒー協会は、冷蔵や冷凍には賛否があるとしています。同協会の鮮度の目安は、密閉容器に移した豆で冷蔵2週間、常温1〜3週間です。

同協会によると、冷蔵や冷凍がいちばん役立つのは、おそらく湿度の高い気候の地域に住んでいる場合だろう、とのことです。

冷蔵庫に入れると、出し入れのたびに温度差で水滴がつきやすく、ほかの食品のにおいも移りやすくなります。入れるなら、必ず密封容器に入れてください。

冷凍するときのコツ

冷凍保存の手順の図。1、1回分ずつ小分けにする(ラップや小さな袋に、1回に使う量ずつ分ける)。2、密閉して冷凍庫へ(空気が入らないよう、口をしっかり閉じる)。3、使う分だけ取り出す(ほかの小分けは、すぐ冷凍庫へ戻す)。4、室温に戻してから開ける(冷たいまま開けると、温度差で水滴がつきやすい)

長く保存したいときは、冷凍が向いています。ポイントは、1回分ずつ小分けにしておくことです。

冷凍庫から出し入れするたびに、温度差で豆に水滴がつき、湿気てしまうことがあります。小分けにしておけば、使わない豆まで出し入れせずにすみます。

取り出した袋は、冷たいまま開けないようにしましょう。室温に戻してから開けると、中に水滴がつきにくくなります。

冷凍の効果を調べた研究もあります。ペンシルベニア州立大学の研究(2018年)では、シティロースト(中煎り)とウィーンロースト(深煎り)の豆を冷凍庫と室温で9週間保存し、48人に香りを比べてもらいました。

9週間保存したあとの比較では、ウィーンローストは冷凍した豆のほうが、焙煎したての豆に近いと評価されています。シティローストは、ウィーンローストより保存による変化が小さめでした。

袋のまま?容器に移す?

買ったときの袋のままでいいの?容器に移したほうがいい?

ここも迷うところですよね。袋のまま保存するか、容器に移すかは、資料によって案内が分かれます。まずは、開けたあとの保存方法を比べた研究を見てみましょう。

チューリッヒ応用科学大学(スイス)の研究(2022年)では、1kgのバルブ付きの袋を開け、週2回豆を取り出しながら、容器に移す・テープ・クリップ・ねじ式のふたの4つの方法で、9週間保存しました。

開けた袋の閉じ方と鮮度の図。鮮度の指標が悪くなる速さを、容器に移した場合を100として比べると、テープで閉じた袋は87、クリップで閉じた袋は60、袋のねじ式のふたで閉じた袋は49。1kgのバルブ付きの袋を開け、週2回、49gずつ取り出しながら、室温で9週間保存した研究

香りの成分で測った鮮度の指標では、いちばん早く鮮度が落ちたのは、密閉できる金属の容器に移した場合でした。袋に付いたねじ式のふたで閉じた場合は、その約半分の速さです。

研究チームは、袋の中にあった二酸化炭素や窒素などの「豆を守るガス」がなくなることと、開け口の広さを理由に挙げています。

この研究の条件では、容器に移すより、元の袋の口をしっかり閉じるほうが鮮度を保てた、ということです。なお、チャック付きの袋は、この研究では調べられていません。

袋と保存容器を選ぶときの注意

UCC上島珈琲は、袋の口をしっかり閉じたうえで、袋ごと密封容器に入れる方法を勧めています。

一方、全米コーヒー協会は、市販の包装は長く保存するのに最適な作りではないことが多いとして、密閉容器に移すよう勧めています。

容器だけに移すなら、密閉できて、光を通さないものを選びましょう。透明な容器は光を通してしまいます。

ちなみに、コーヒー豆の袋に付いている小さな弁(バルブ)は、焙煎した豆が出す二酸化炭素を外へ逃がし、外の空気は入れないためのものです。

よくある質問

1回に何gくらい買えばいいですか?

1杯に使う豆の量と、飲む回数から計算できます。例えば、1杯10gを1日2杯なら、2週間で280g(10g×2杯×14日)です。1杯の豆の量は器具によって違うので、コーヒー用語集の挽き目の表も参考にしてください。

インスタントコーヒーも、冷蔵庫や冷凍庫に入れていいですか?

メーカーによって案内が分かれます。

  • UCC上島珈琲:出し入れの温度差で水滴がつき、粉が固まる原因になるため、冷蔵・冷凍は避ける
  • 味の素AGF:開封後1か月を超えて保存するなら、密閉したまま冷蔵庫や冷凍庫に入れ、室温に戻してから開ける

湿気を避ける点はどちらも同じです。買った商品のメーカーの案内に従ってください。1杯分の粉とお湯の量は、インスタントコーヒーの量にまとめています。

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