カフェのメニューや豆の袋で、知らない言葉に出会うことはありませんか? この記事では、コーヒー用語を8つの分野に分けて、図と表で一覧にしました。
焙煎度・挽き目・カフェインの量などは、目安の数値も載せています。気になる分野から読んでみてくださいね。
- 焙煎度は8段階。一般に、浅煎りほど酸味が強く、深煎りになるほど苦味を感じやすくなります。
- 缶やペットボトルの「コーヒー」は、内容量100gあたり生豆換算で5g以上のコーヒー豆を使ったものです。
- 「カフェインレスコーヒー」は、カフェインを90%以上取り除いたコーヒーです。
コーヒー豆と品種の用語
まずは基本から。コーヒー豆は、コーヒーノキという植物の実(コーヒーチェリー)の種子です。「豆」と呼ばれていますが、実は種(たね)なんですね。

| 用語 | 意味 |
|---|---|
| コーヒーノキ | コーヒー豆がとれる植物。 |
| コーヒーチェリー | コーヒーノキの実。熟すと赤くなる。 |
| パーチメント | 生豆を包む硬い殻(内果皮)。その内側に銀皮(シルバースキン)がある。 |
| 生豆(なままめ) | 精製したあと、焙煎する前の豆。 |
| コーヒーベルト | 北緯25度から南緯25度のあいだの熱帯地域。栽培地の多くがここにある。 |
| アラビカ種 | 世界の生産量の6割弱を占める種。病害虫に弱い。 |
| カネフォラ種(ロブスタ) | 生産量の4割強を占める種。ロブスタは通称。病害虫に強く、カフェインはアラビカ種のおよそ2倍。インスタントコーヒーやブレンドに多く使われる。 |
| ティピカ | アラビカ種の代表的な品種。 |
| ブルボン | アラビカ種の品種。1700年代初めに、フランスの宣教師がイエメンからブルボン島(現在のレユニオン島)へ持ち込んだ。名前はこの島に由来する。 |
| ゲイシャ(ゲシャ) | 1930年代にエチオピアの森で採集された品種。2005年のパナマの品評会をきっかけに、生豆のオークションで当時の最高値をつけて有名になった。 |
| シングルオリジン | 特定の一つの農園、またはそこで生産された豆。 |
| ブレンド | 数種類の豆を配合したもの。一般的には3〜5品種が適当とされる。 |
| トレーサビリティ | 生産から消費までの経路をたどれること。 |
| 欠点豆 | 不具合のある豆。生豆の等級を決めるときは、欠点豆や異物の数を数える。 |
| スペシャルティコーヒー | 風味の優れたコーヒー。定義と評価の7項目は下の囲みのとおり。 |
アラビカ種とカネフォラ種の生産量の割合は、全日本コーヒー協会の「栽培」のページの値です。キーコーヒーは、カネフォラ種の生産量を全体の2〜3割程度としています。
スペシャルティコーヒーの定義
日本スペシャルティコーヒー協会は、次のように定義しています。
「消費者(コーヒーを飲む人)の手に持つカップの中のコーヒーの液体の風味が素晴らしい美味しさであり、消費者が美味しいと評価して満足するコーヒーであること」。
評価の項目は、次の7つです。
- カップ・クォリティのきれいさ
- 甘さ
- 酸味の特徴評価
- 口に含んだ質感
- 風味特性・風味のプロフィール
- 後味の印象度
- バランス
精製(生豆の取り出し方)の用語
収穫した実から、どうやって豆を取り出すのでしょうか。全日本コーヒー協会は、精製方法として、水洗式(ウォッシュド)・非水洗式(ナチュラル)・スマトラ式の3つを紹介しています。
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 精製 | コーヒーチェリーから果肉などを取り除き、生豆を取り出す工程。 |
| ミューシレージ | 果肉とパーチメントの間にある粘液質。 |
| ウォッシュド(水洗式) | 果肉を除き、ミューシレージを発酵させてから水で洗い流し、乾燥させる。 |
| ナチュラル(非水洗式) | 実のまま2週間ほど天日で乾燥させ、その後に脱穀して生豆を取り出す。 |
| スマトラ式(セミウォッシュド) | 果肉を除いて約半日乾燥させ、水分を含んだまま脱穀してから、もう一度乾燥させる。 |
| ハニープロセス | セミウォッシュドの改良型で、果肉を少し残して除く方法。ウォッシュドより水の使用量を抑えられ、コスタリカで行われている。 |
| アナエロビック(嫌気性発酵) | 酸素をほとんど、またはまったく入れない状態で発酵させる方法。 |
精製方法ごとの工程
ウォッシュド(水洗式)
| 工程 | 処理 |
|---|---|
| 果肉の扱い | 外皮と果肉を除く |
| 発酵 | 1日発酵して水洗い |
| 乾燥 | 天日または機械で乾燥 |
| 脱穀 | パーチメントを除く |
| もう一度乾燥 | しない |
ナチュラル(非水洗式)
| 工程 | 処理 |
|---|---|
| 果肉の扱い | 実のまま |
| 発酵 | しない |
| 乾燥 | 天日で約2週間 |
| 脱穀 | 果肉とパーチメントを除く |
| もう一度乾燥 | しない |
スマトラ式(セミウォッシュド)
| 工程 | 処理 |
|---|---|
| 果肉の扱い | 実を水洗いしてから、水を使わずに外皮と果肉を除く |
| 発酵 | しない |
| 乾燥 | 天日で約半日 |
| 脱穀 | 水分を含んだまま脱穀 |
| もう一度乾燥 | 乾燥させる |
焙煎の用語
浅煎りと深煎りって、何が違うの?
違いは焙煎の深さで、味の傾向は下の図のとおりです。焙煎度は、ライトからイタリアンまでの8段階です。大まかには、浅煎り・中煎り・深煎りの3つに分けられます。


| 区分 | 焙煎度 |
|---|---|
| 浅煎り | ライトロースト、シナモンロースト |
| 中煎り | ミディアムロースト、ハイロースト、シティロースト |
| 深煎り | フルシティロースト、フレンチロースト、イタリアンロースト |
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 焙煎(ロースト) | 生豆を加熱して、香りや味を引き出す工程。 |
| 焙煎度 | どこまで焙煎したかの度合い。 |
| ハゼ(1ハゼ・2ハゼ) | 焙煎中に豆が割れて鳴る音。最初の「パチパチ」が1ハゼ、次の「チリチリ」が2ハゼ。 |
| 単品焙煎 | 豆を1種類ずつ焙煎してから配合する方法。 |
| 混合焙煎 | 生豆を配合してから、まとめて焙煎する方法。 |
挽き目と道具の用語
挽き目って、そんなに気にしなくてもいいのかな…
挽き目は、豆を挽いたときの粒の大きさです。実は、器具に合った挽き目を選ぶのが、おいしく淹れる基本の一つなんです。


| 挽き目 | 主な器具 |
|---|---|
| 粗挽き | パーコレーター |
| 中挽き | サイフォン、ネルドリップ |
| 中細挽き | ペーパードリップ、家庭用コーヒーメーカー |
| 細挽き | ウォータードリップ(水出し) |
| 極細挽き | エスプレッソマシン、イブリック |
器具ごとの挽き目と粉の量
器具に合う挽き目には幅があります。全日本コーヒー協会の「基本原則」のページで示されている挽き目と1杯分の粉の量を、下の表にまとめました。
| 器具 | 挽き目と1杯分の粉 |
|---|---|
| ペーパードリップ | 中細挽き:約10g、中挽き:12〜13g |
| ネルドリップ | 中挽き:12〜13g、粗挽き:約15g |
| サイフォン | 中細挽き:約10g、中挽き:12〜13g、粗挽き:約15g |
| エスプレッソ | 極細挽き:6〜8g |
| フレンチプレス | 中挽き:12〜13g、粗挽き:約15g |
同じ協会でも、器具ごとの淹れ方のページには、挽き目や粉の量が違う説明があります。粉の量は1杯分の目安なので、まずは表の値から試してみてください。
ペーパードリップで淹れるときの、お湯の量や2杯・3杯分の粉の量は、コーヒー粉の量とお湯の量で、メーカーの目安を比べています。
なお、袋の表示に使う挽き方の基準(公正競争規約)では、砂糖へのたとえ方が上の挽き目の図と少し違います(例:中挽きはグラニュー糖くらい)。くわしくはコーヒー豆の表示の見方にまとめています。
ミルの種類
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| ミル(グラインダー) | 豆を挽く器具。手動と電動がある。 |
| 臼式(コーンミル) | 臼のようにすりつぶして挽く方式。 |
| ディスクミル | 向き合った2枚の円盤状の刃で挽く方式。業務用にも使われる。 |
| プロペラ式 | 回転する刃で砕く方式。粒の大きさにムラが出やすい。 |
淹れ方(抽出)の用語
ここからは、実際に淹れるときによく出てくる言葉です。
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 抽出 | 粉から成分を湯や水に溶かし出すこと。 |
| ドリップ | フィルターでこしながら抽出する方法。紙を使えばペーパードリップ、布ならネルドリップ。この方法で淹れたコーヒーをドリップコーヒーという。 |
| ハンドドリップ | ドリッパーに手で湯を注いで淹れる方法。プアオーバーとも呼ぶ。 |
| 蒸らし | 最初に少量の湯で粉を湿らせ、少し待つ工程。 |
| フレンチプレス | 筒状のポットに粉と熱湯を入れ、フィルターで押し沈めて抽出する器具。 |
| サイフォン | フラスコで沸かした湯が上のロートに上がり、粉と接して抽出される器具。 |
| エスプレッソ | 深めに焙煎した豆を極細挽きにし、機械で圧力をかけてすばやく抽出するコーヒー。 |
| クレマ | エスプレッソの表面に浮かぶ、きめ細かな泡の層。 |
| ウォータードリップ(水出し) | 湯ではなく水で、時間をかけて抽出する方法。 |
| パーコレーター | 加熱して上がった湯を、上部の粉に通して抽出する器具。 |
| イブリック | トルコ式コーヒーを淹れる、柄のついたひしゃく形の器具。粉と水を入れて煮出す。 |


数値で見る抽出の目安
- 湯温:沸騰が静まった95℃前後が適温。
- 抽出時間:短いと酸っぱく薄く、長いと苦くえぐくなる。
- 粉と水の量:SCA(スペシャルティコーヒー協会)の家庭用コーヒーメーカーの規格(2021年)では、水1kgに粉55gで試験する。
- TDS(濃度):コーヒー液に溶けている成分の割合。同じ規格では、この比率で1.15〜1.55%を目標とする。
- 抽出収率:粉の重さのうち、液に溶け出した成分の割合。SCAの家庭用コーヒーメーカー認証の要件(2018年)では18.0〜22.0%。
味と香りの用語
味や香りを言葉にするときに使う用語です。感じる順番に並べると、違いがわかりやすくなります。


| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 酸味 | 酸っぱさや爽やかさとして感じる味。一般に浅煎りほど強い。 |
| 苦味 | 焙煎が深くなるほど感じやすくなる味。 |
| 甘さ | 甘い印象。スペシャルティコーヒーの評価項目の一つ。 |
| フレグランス | 焙煎した豆や、挽いた粉の香り。 |
| アロマ | 淹れたコーヒー(抽出した液)の香り。 |
| フレーバー | コーヒー液を口に含んだときの香り。広くは、食べ物を口に入れたときに感じる感覚を指す。 |
| ボディ | 口に含んだときの舌触りや、味の厚み・複雑さ。 |
| アフターテイスト | 飲んだあとに感じる後味。 |
| バランス | 味や香りの要素どうしの釣り合い。 |
| カッピング | コーヒーの品質(特徴・味・香り)を、同じ条件で比べて評価する方法。 |
| フレーバーホイール | 風味を表す言葉を輪の形に整理した図。SCAとワールド・コーヒー・リサーチ(WCR)が、WCRの官能評価用語集をもとに20年ぶりに改訂した。 |
「アロマ」と「フレーバー」の使い分けは、資料によって少し違います。この記事では、上の表の意味で使っています。
飲み物とメニューの用語
カフェラテとカフェ・オ・レ、名前が似ていて迷いますよね。違いは、使うコーヒー(エスプレッソかドリップコーヒーか)と、ミルクの割合の目安です。


| 用語 | 意味 |
|---|---|
| レギュラーコーヒー | 焙煎した豆(煎り豆)や、それを挽いた粉。 |
| インスタントコーヒー | コーヒーの抽出液を乾燥させた、水に溶ける粉や顆粒。 |
| アメリカンコーヒー | 浅煎りの豆で淹れたコーヒー。 |
| カフェラテ | エスプレッソとミルクを合わせたもの。割合は1対4が目安。語源はイタリア語。 |
| カプチーノ | エスプレッソに、厚みのある泡立てたミルク(フォームドミルク)を合わせたもの。 |
| カフェ・オ・レ | ドリップコーヒーとミルクを合わせたもの。割合は1対1が目安。語源はフランス語。 |
| ウインナーコーヒー | コーヒーに生クリームを加えて、口当たりをまろやかにしたもの。 |
| ハワイコナ(コナ) | ハワイ島のコナ地方で栽培されるコーヒー。 |
表示の用語(公正競争規約)
缶コーヒーの「コーヒー」と「コーヒー飲料」って、何が違うの?
違いは、使っているコーヒー豆の量です。
コーヒー飲料等の表示に関する公正競争規約では、内容量100gあたりの豆の使用量(生豆換算)によって、表示できる名前が決まっています。対象は、缶やペットボトルなどの容器入りの飲み物です。
| 表示できる名前 | 100gあたりのコーヒー豆(生豆換算) |
|---|---|
| コーヒー | 5g以上 |
| コーヒー飲料 | 2.5g以上5g未満 |
| コーヒー入り清涼飲料 | 1g以上2.5g未満 |
| コーヒー入り炭酸飲料 | 1g以上(二酸化炭素を圧入したもの) |
生豆に換算するときは、焙煎した豆は1.3倍、インスタントコーヒーは3.0倍します。粉末飲料、飲用乳(牛乳など)や豆乳類の表示ルールの対象になる飲み物、酒類は、この規約の対象外です。
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| カフェインレスコーヒー | カフェインを90%以上取り除いたコーヒー。豆・粉・インスタントでは「デカフェネィテッドコーヒー」などとも表示する。容器入りの飲み物では、カフェインレスコーヒーだけを使った場合に、名称のあとに括弧を付けて「カフェインレス」と表示する。 |
| デカフェ | カフェインを取り除いた飲み物全般を指す言葉。規約には「デカフェ」単独の語はない。 |
| カフェインの除去 | 多くは焙煎前の生豆の段階で、水や超臨界二酸化炭素を使って取り除く。 |
| カフェイン | コーヒーや茶に含まれる成分。量は下の図のとおり。 |
100mLあたりのカフェインの量は、食品安全委員会「食品中のカフェイン」の値です。


コーヒー豆の袋の表示全体の読み方は、コーヒー豆の表示の見方にまとめています。
英語での言い方
海外のお店や資料で見かけたときに困らないように、カタカナから英語を推測しにくい用語だけをまとめました。
| 日本語 | 英語 |
|---|---|
| 生豆 | green coffee |
| 浅煎り・中煎り・深煎り | light / medium / dark roast |
| 精製 | processing |
| 水洗式・非水洗式 | washed / natural |
| 嫌気性発酵 | anaerobic fermentation |
| 挽き目 | grind |
| 抽出 | extraction(brewing) |
| 蒸らし | bloom |
| ハンドドリップ | pour over |
| 水出しコーヒー | cold brew |
| 酸味・苦味・甘さ | acidity / bitterness / sweetness |
| 後味 | aftertaste |
| カフェインレス | decaf(decaffeinated) |
よくある質問
- コーヒー1杯のカフェインはどのくらい?
-
コーヒーは100mLあたり60mg(上の図)なので、150mL飲むと計算上は約90mgです。1日に何杯までが目安かは、コーヒーのカフェイン量にまとめています。
- スペシャルティコーヒーは何点以上?
-
日本スペシャルティコーヒー協会の定義には、点数の基準はありません。「カッピングの評価で80点以上」は、国際コーヒー機関(ICO)の報告書(2020年)がSCAの説明として紹介している基準です。
ただしSCAは、現在の定義に点数の基準を設けていません。2004年のカッピングの方法と評価用紙に代わる規格として、CVA(コーヒー・バリュー・アセスメント)の3つの規格を正式に採用しています。
- 精製方法で味は変わる?
-
精製方法の違いは、味わいにも影響するとされます。ただし、果実ごと乾燥させたコーヒー(ナチュラル)が、すべてフルーティーな味になるとは限りません。









